美徳について

角川文庫 マルキ・ド・サド澁澤龍彦) 恋のかけひき ファクスランジュあるいは野心の罪 P36

悪人の魂のうちにも、誠実の跡はあるものであり、また美徳というものは、もっとも堕落した人々でさえ多くの場合敬意を払わないではいられないほどの、ある種の価値を人間の眼にあらわすものなのである。